芦屋市立美術博物館|アクセス・利用案内・見どころ・カフェ・ランチ情報
- 朱梨 益田
- 2024年3月15日
- 読了時間: 4分
更新日:2024年3月18日

芦屋市立美術博物館について
1991年に開館し、2023年にリニューアルオープンしたばかりの「芦屋市立美術博物館」。風光明媚で交通の便も良い芦屋市は、数多くのアーティストから愛されてきました。小説家の谷崎潤一郎(1886〜1965)、洋画家の小出楢重(こいでならしげ 1887〜1931)、具体美術協会のリーダー吉原治良(よしはらじろう 1905〜1972)など、大正時代より多様な分野で活躍する文化人が多くこの地に集ってきたのです。結果として生まれた近代的な芸術・文化・生活様式は「阪神間モダニズム」と呼ばれました。戦後日本を代表する前衛芸術グループ「具体美術協会(具体)」が発足した地としても広く知られています。
芦屋市立美術博物館では、こうした文化の薫り高い地で育まれてきた芦屋にゆかりのあるアーティストの作品を多数所蔵しています。また、歴史部門も併せ持ち、芦屋にまつわる考古資料なども鑑賞できます。ミュージアムショップやカフェもあり、気軽に立ち寄れるアートスポットとして地元の人々から親しまれています。
芦屋市立美術博物館のアクセス・利用案内
芦屋市立美術博物館の見どころ

コレクション
芦屋市立美術博物館のコレクションでは、小出楢重とその周辺の洋画家、具体美術協会、芦屋カメラクラブの作品を3本の柱としています。歴史部門では、芦屋の自然や歴史に関する文化財や考古資料を収集しています。
建築
芦屋美術博物館の設計は板倉建築研究所が手がけました。坂倉建築研究所は、ル・コルビュジエに学んだ戦後日本を代表する建築家・坂倉準三が設立した建築設計事務所です。
印象的なのは来館者を優しく迎える中央の吹抜け円形ホール。白を基調とした内観の美しさに目を奪われます。円形ホールはエントランスと展示室、講義室等を結んでおり、さまざまな展示やイベントも可能となっています。
代表的な過去の展示
開館30年という節目の2021年には、さまざまな記念イベントが開催されました。特に開館30周年記念「限らない世界/村上三郎」展では国内の美術館で初公開となる作品が多数展示され、話題を呼びました。そのほか美術、歴史、音楽などのジャンルの垣根を越えて、楽しめる展示を幅広く行っています。
〈主な企画展〉
「芦屋の時間 大コレクション展」(2020年)
「美術と音楽の9日間「rooms」9 days of Art and Music.」(2020年)
開館30周年記念特別展「限らない世界/村上三郎」(2021年)
「最後の浮世絵師 月岡芳年」(2023年)
ミュージアムショップ
芦屋市立美術博物館のミュージアムショップでは、過去に開催されたさまざまな展覧会のカタログや絵はがき、オリジナルグッズ等が販売されています。
カフェ・レストラン情報
美術博物館の敷地内には「喫茶 Café de Repos カフェ・ド・ルポ」という落ち着いた雰囲気の喫茶店があり、緑豊かな庭を眺めながらコーヒーやワッフル、サンドイッチなどが楽しめます。また、復元された小出楢重アトリエ(1927年築/1991年復元)がカフェに隣接しているため、一緒に訪れるのもおすすめです。


芦屋市立美術博物館周辺のおすすめスポット
芦屋市谷崎潤一郎記念館

芦屋市立美術博物館のすぐ隣にある「芦屋市谷崎潤一郎記念館」。芦屋市立美術博物館と同じく、2023年にリニューアルオープンしました。
文豪・谷崎潤一郎は明治期から昭和期にかけて活躍し、『春琴抄』『細雪』など数々の名作を世に残しました。記念館では、原稿などの貴重な資料が展示されるとともに、文学講座や様々な催しが開催されています。また、美しい日本庭園も魅力の一つです。


ヨドコウ迎賓館(旧山邑家住宅)

阪急神戸本線「芦屋川」駅より北へ徒歩約10分上った所に位置する「ヨドコウ迎賓館」。近代建築の巨匠と名高いフランク・ロイド・ライト(1867〜1959)によって設計されました。
1924年に完成したこの建物は、灘の酒造家・八代目 山邑(やまむら)太左衛門の別邸として建てられ、1947年に株式会社淀川製鋼所の所有となりました。その後は社長邸や淀川製鋼所独身寮として利用され、1974年の5月に国の重要文化財として指定を受けています。
複雑な木組み装飾や幾何学的な彫刻を施した大谷石、植物の葉をモチーフとした飾り銅板など、随所にライトの建築思想を感じ取ることができるでしょう。一般公開されており見学が可能です。春には山邑家ゆかりの雛人形が飾られ、多くの来館者が訪れます。
西宮市大谷記念美術館

「西宮市大谷記念美術館」は、芦屋市の東側に隣接する西宮市の美術館。芦屋市立美術博物館からの移動時間は電車・徒歩ともに約30分です。
「西宮市大谷記念美術館」は、西宮市が大谷竹次郎氏(元昭和電極社長・現社名SECカーボン(株))より土地や建物、美術品の寄贈を受け、1972年に開館しました。


