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今井祝雄《タイムストーンズ400》新大阪駅前にそびえ立つ未完成のパブリックアート



《タイムストーンズ400》は、JR新大阪駅1階の駐車場内に設置されています。「大阪城築城400年祭」と「大阪の21世紀計画」のモニュメントとして、1982年に設置されました。


本作を手がけたのは美術家で大阪出身の今井祝雄(いまいのりお 1946〜)。高校在学中から前衛画家の吉原治良(よしはら じろう 1905〜1972)に師事し、吉原が率いる具体美術協会(GUTAI)に所属し活動していました。1980年代からは数多くのパブリックアートを制作しています。


《タイムストーンズ400》は、巨石を20段積み上げた高さ約16.5mの作品です。使用された石材は、大阪城の石垣用に切り出されながらも使われることのなかった「残念石」を型どったもので、すべて同型同大のものが使用されています。

本来、21世紀を迎えた際に21段目の巨石を積み上げる構想でしたが、現在まで実現せず未完成の状態です。そのため、石塔の足元には一つの石が置かれています。


未完の理由は、本作の管理者や土地の所有者が不明となっていることが背景にあります。街に放置された作品は誰のものなのか。管理者は不要なのか。パブリックアートそのものに対して問いを投げかける作品でもあります。


駅の各階から望めますが、間近にするととても見ごたえがある作品です。新大阪駅を訪れたら、近くで作品を見上げ、そのスケールを体感してみてはいかがでしょうか。






住所

大阪府大阪市淀川区西中島5丁目16

最寄駅からのアクセス

JR新大阪駅前


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